ラ・クーニュース
2021.06.18スタッフ日記

行く?行かない?の判断

今日は少し踏み込んだお話です。

私達の大切な子に異変が起きた時、病院に行くか、行かないで様子を見るかの判断は、人それぞれです。

私は個人的には気になったら迷わず病院に行きます。

私は、今までの人生で一緒に生活してきた子がたくさんいて、いろんな経験をして知っている事もあって、過去に起こった事を今の子に「同じ思いはさせない」と思っています。

そして、お仕事で毎日たくさんの子達と接していて、お客様の子達から教えてもらえることもたくさんあります。

それは、経験でしかありませんので、当たっている事も間違っている事もありますが、

それでも今目の前にいる子がちょっと心配だなと思ったら、飼い主様にお伝えするようにしています。

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これは私のうちの子の経験談なのですが、普段はおっとりしている優しい子でいつも通りの朝の様子だったので、「行ってきます」をして仕事にでました。

仕事中に家族から「ゆず、なんか変だよ。ジッとしてる。あまり動かない。いつもとはちょっと違うと思う」と電話がありました。

仕事中の私に電話をくれるぐらいの異変なんだと思い怖くなって、すぐに動物病院に連れて行ってもらいました。

その日は日曜日で、かかりつけの先生は休診だったので別の病院へ行って、仕事の手が空いた私は病院で家族と合流しました。

ゆずの顔はいつも通り穏やかでしたが、確かにちょっとだるそうな気がしました。

順番がきて、診察室に入り状況を説明した後、看護師さんがキャリーケースから自分で出てくるように扉を開けましたが出てこず、ちょっと荒い手つきで引っ張り出して、「自分で出ておいでよ」と言いました。

先生は一般的な診察、触診、体温測定、聴診器をして、嘔吐も下痢も無いので、

「なんでもないのでは?異常ないです。食欲がないとか、吐くとか、下痢とか、症状が出てから受診してください」と言いました。

私から見たら、診察台に乗っているうちの子は、明らかにいつもとは違う様子で元気がありませんでした。

「異常なし」と診断されたので、看護師さんにキャリーケースに詰め込まれて帰宅しました。

その時の先生の言葉と看護師さんのうちの子の扱い方は、私にはとてもショックだったので、いまでも鮮明に覚えています。

過去に動物病院に勤めたことがあるので、病院が違うと診察はこんなに違うんだというのもショックでした。辛い思い出として残っています。

翌日、朝1番でかかりつけの先生に診てもらいました。

診断は肺ガンでした。

肺の腫瘍のせいで肺に水が溜まっていて、呼吸が苦しくなっている状態でした。

いつもより元気が無くて動かなかったのは、苦しくて動けなかったからです。

前日に「なんでもない」と言われた子が、今日は「命が危ない」と言われたのです。

かかりつけの先生は昨日と同じ状態のうちの子に、聴診器をあてて呼吸の音を聞いただけで「肺がおかしい」と気づいてくれました。

はやく病気に気づいてあげられなかった事、すぐに治療に入れなかった事が悲しかったです。

私もまだまだ飼い主としても未熟でしたし、見逃していた事もあったかもしれません。

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「まさか」は起こるのです。

そんな「まさか」が私達がここで関わるお客様の子に起こって欲しくないので、日々勉強を重ねています。

気づいた異変は飼い主様にお伝えするようにしています。

お客様にはそれぞれに信頼しているかかりつけの先生がいらっしゃって、

その先生は誠心誠意、診察をしてくださっていると思います。

なんのお仕事でもそうだと思いますが、見る人が違うと結果が違う事は普通にあります。

トリミングもそうですよね。同じ店でも担当した人が違うと仕上がりが違ったり、

お店を変えるとやったことも無いカットスタイルになることもありますね。

医療の分野では、セカンドオピニオンと言って、別の先生の意見を参考にする事がありますね。

ずっと診てもらっている先生を裏切るような気持ちになってしまうし、受診料も2重に掛かってしまうし、セカンドオピニオンに進むのは躊躇してしまう気持ちはとっても分かります。

ですが、獣医さんの中には、そんなことは全く気にしないでちゃんと対応してくださる先生も沢山います。

私はうちの子を守るのは、私達飼い主が一歩踏み込む事だと思っています。

「なんかおかしいな、診てもらおう!」

「なんかおかしい気がするけど、気のせいかも。。」

「ちょっと2~3日様子見てみよう」

「トリマーさんに言われたけど大丈夫だよね、また今度言われたら考えよう」

「トリマーさんが言ってたこれ、心配。。すぐ診てもらわなきゃ」

「いつもこうだし、仕方ない」

「診てもらってるし、だいじょうぶ」

「なんで治らないのかな?でもな。。」

「歳だしな。。。」

「うちの子はこうだし」

動物病院に連れて行くのは、簡単ではありませんよね。

私も病院に行くのは気が進む事ではありません。

連れていく事で感じさせてしまうストレスや、病気が見つかったらどうしようという不安、

治療費が高額になったらどうしようという不安。

でもそんな不安よりももっと心の奥で気がかりになっているのは

「うちの子大丈夫なの?」という大切な子の心配ではないですか?

そこに目を背ける事は出来ないし、治療するなら早期発見早期治療が一番いいに決まっています。

目の前にいる子の様子をしっかり受け止めて、病院に行ってみませんか?

かかりつけの先生に今の状態の説明をもう一度お願いしてみるのも良いかもしれません。

勇気をだしてセカンドオピニオンで別の先生の意見を聞いたとして、そのまま病院を変えるのも、

かかりつけの先生に戻って相談するのも、使い分けするのも、全部正解だと思います。

うちの子を思ってしている事ですもの。

診てもらった結果、心配いらなかったとしても

なんでもないと分かれば安心ですし、健康体な様子を先生に診てもらう事も大切だと思います。

「この飼い主さんは心配性なんだな」と先生に思われる事も良いかもしれません。

一緒に大切な子の健康を守っていけるように頑張りましょう!

重く長い文章でしたが、読んでいただいてありがとうございました!